Webメディアの運営・記事の編集をしていると、ライターによって質の違い・書き方の違いなどを感じますよね。
「やっぱりこのライターさんの記事は良いな!」
「エモい文章書くいいライターさんだな」
「このライターさんは物足りないんだよね……」
「当たり障りのな記事で読んでいても面白くないな……」
なんて感じることも多いのではないでしょうか。私が思うに、それらの大きな違いは「リード文・導入文での惹きこみ方」です。
なぜリード文がライティングにおいて重要なのか、また、どんなリード文であれば人は読みたくなるのか・惹きこまれるのか考えてみましょう。
単純な文章の上手い下手ではない
ライティングを始めたての人は、「いい文章 = 文章が上手い」だと思ってしまいがちです。しかし、それは半分正解で半分間違いです。もちろんライティングを行なう以上、伝わりやすい文章や読みやすい文章を書くことは大切です。
しかし、この文字は開くだの閉じるだの。感嘆文の後は全角スペースを開けるだの。そんな事ばかりにフォーカスしてはいけません。それはあくまで、見やすさを細かく追及した時に必要になるライティングのごく一部分でしかありません。
編集者の方でも、細かい体裁ばかりを気にする方が多いようですが、私はあまり賛成ではありません。それよりも、どうすればもっと人を惹く文章になるかを考えたほうがいいと思うからです。読者の方は、開く閉じるなんて箇所よりも、なんとなく面白そうだ、なんとなくイメージが浮かんでくる。というところで文章に惹かれるのではないでしょうか?
※文字を開くというのは、漢字ではなくひらがな表記するということ。
例:出来る(閉じる)とできる(開く)
情景・イメージを沸かせられるようなリードが理想
記事の中で最も大切なことは、読者に情景・イメージを沸かせることです。そのためには、リード文で惹きつけることが必要です。でも、情景やイメージを沸かせるにはどうすればいいのでしょうか?
実はそれはとても簡単。
実体験や自分が感じていることを書けばいいだけです。この記事のリードでも、ライターによって質の違いを感じると書いたうえで、
「やっぱりこのライターさんの記事は良いな!」
「エモい文章書くいいライターさんだな」
「このライターさんは物足りないんだよね……」
「当たり障りのな記事で読んでいても面白くないな……」
のように、私が実際に日々感じることを提示しています。おそらくこれは、多くのメディア運営者および編集者も感じていることだと思います。なのでわざわざ、心で感じていることを文字に起こして書いています。
重要なのは、自分が感じていることをリードで書き、読者の共感・イメージを湧き立たせることです。イメージできない記事は全く読む気にならないですよね? 自分が他の人の記事を読むときに、なぜ読むのかを考えてみるとわかると思います。
リード文章で読み手の共感は絶対ではない?
前項で、共感・イメージを湧き立たせることが重要だと書きましたが、実は共感は場合によって必要ないと思っています。
というのも、共感まではしなくとも、情景が浮かんだりイメージができるだけで、読者は読んでくれる可能性が高いからです。共感させる場合は、同じ立場や状況にいる人にしか伝わりません。ライターであればライター、編集者であれば編集者のように。しかし、それでは読んでくれる人を激減させてしまうのです。
共感はあるといいけど、無くてもイメージしてもらえれば記事は読んでもらえます。大げさな例ですが、リード文で
「イタリアに住んでいた3年間。ほろ苦いエスプレッソの香りで目を覚ます朝が、なんとも幸せだった。ランチは映画に出てくるようなおしゃれなレストランで、ゆったりとした時間を過ごした。」
なんて文章はどうでしょうか? 共感するというより、なんとなくイメージはできますよね。共感とイメージはなんとなく近いけど、異なるもの。ターゲットを絞って深く伝えたい場合と、ターゲットを広くとって読んでもらいたい文章。それによってリードは変えるべきということがわかると思います。
イメージさせるだけでリード文は読まれる
ライティングは、ルールを守って書くから読まれるというものではありません。ロジックが通っているから読まれるものでもありません。
ライティングは、リード文でイメージがつかめる文章が書けていれば読まれるのです。文章の上手い下手は二の次。まずは、自分が感じていることや悩み、そして体験したことを言葉にしてみるといいでしょう。あなたが感じたことは、誰かにも必ず当てはまります。
その際、ターゲットを広くとるのか、狭く深くとるのかによって書き方は変わってきます。共感を得る文章なのか、イメージさせる文章なのか、どちらにするか考えると良いでしょう。リード文で惹きこまれないライティングは、冒頭でとりあげたように「物足りなさやありきたり」な印象を与えてしまいがちです。
なんとなくでリード文を書いてしまう方が多いように感じますが、リード文は記事の核となる部分です。どのように読者を惹きつけるのか、考える必要がありますよね。
少しでも今回の記事が参考にれば幸いです。
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